燻製体験
丹波食の会 宇津江さんご夫妻より燻製体験のご案内をいただきました。空気が乾燥する冬場は燻製づくりにぴったりな季節だそうです。燻製の基本手順は丹波食の会提供の別途「燻製づくり」の資料−pdf版(59.8KB)、又はhtml版をご覧下さい
※PDFファイルを開くにはAcrobatReaderが必要です。ダウンロードはコチラからお願いします。(無償)
(目を通していただかないと燻製づくりのプロセスを理解するのが難しいです)
スケジュール:12月1日(水) 仕込み体験 於丹波・食の会
12月9日(木) 仕上げ体験 ”
12月1日「かっとびけいこ号」は9:00に六甲アイランド出発、師走とは思えないくらい暖かなお天気で山国丹波の朝霧がだんだんと晴れ渡り、車窓からは初冬というより晩秋の田園風景が広がります。
初日は準備と塩漬けです。燻製づくりのテキストを見ながら宇津江さんから講義を受けます、本好きの宇津江さんは格調高く燻製の歴史、種類、文化背景などお話してくれる燻製大使です
材料:豚バラ、腿、秋鮭、こんにゃく、厚揚げ、豆腐、鯛の切身です。こんにゃくや厚あげはどんな味になるか全く想像がつきません(今日の材料は地元のスーパーで購入しました)
1.ピックル液を作ります:水1リットル、塩150グラム、セロリの葉、パセリ2枝、ベイリーフ2枚、を加熱してウイスキー(ブランデー)90ccを最後に入れて冷まします。お好みのスパイスがあればここで加えます
2塩漬け:.ピックル液が冷めたら、材料別にジップロックに素材がひたひたになるくらい液を入れて封をして天地を1日1回ひっくり返しながら冷蔵庫で4〜5日漬けます。私たちの作業はここまでで、残りの作業は8日に燻製に来るまで宇津江さんにお願いしました
3.塩ぬき:水で素材を洗い塩分濃度を均等にする
4.乾燥:保存性を高め煙のまんべんなく行き渡らせるため
5.燻製:乾燥を経た素材をいよいよ燻製にします。ヒッコリー(日本語は鬼胡桃)のスモークウッドで燻します。実はこの作業は18時間くらいかかるので、私たちが行く前日の夜から宇津江さんがやって下さいました、スモークウッドは巨大な線香のようで、火をつけても熱くなりません、今回のように豚肉と鮭のように、素材が肉と魚の場合どちらでも合うのがヒッコリーだそうです、おなじみの桜の木はお肉に合うそうです
6.熟成:12月9日「かっとびけいこ号」は再び丹波にやってきました、宇津江邸の庭はすでにスモーキーな燻製の香りが漂っています。お昼ぐらいに燻製炉から燻製を出して写真にもある青い網に移し熟成させます。燻製の直後は咳き込むくらい煙の匂いが強く、最低でも3時間は熟成させる必要があるそうでなんとも気の長い作業です。昔アメリカのカーボーイがこうやって燻製をつくり、ダッチオーブンを持って旅を続けたのでしょうね、どこからかブルースハープのカントリーソングの旋律が聞こえてきそうです。スローフードの食にまつわる歴史や文化をたどるのも楽しいものです。
付録1.熱薫体験:
こちらは15分くらいでできる燻製です、まず中華なべを2ケ用意します、それぞれのなべにアルミホイルをかなり大きめに敷き詰め、ガスにかけてホイルの上にザラメ藤とヒッコリーのチップ(これは木のかけらでスモークウッドとは違います)を入れてその上に餅焼き網を渡し、秋刀魚、ししゃもの干物、チーズ(6Pチーズなどのプロセスチ−ズがお勧め)、ピックル液に漬けた厚揚げ、こんにゃく、豆腐などを並べます、溶けたザラメから香ばしいおこげの匂いが漂い、煙が出てきました。もう一つの鍋で蓋をして、ホイルを上下にくっつけて煙が外に漏れるのを防ぐのです(このくっつける時マチ部分が要るためホイルは大きめにカットして下さい)約15分中加熱すると熱薫の完成です。
付録2燻製BBQ:
写真でむしゃむしゃ食べているのが燻製BBQです、熱薫以外は熟成する必要があるので、別途宇津江さんに猪、鹿、合鴨の燻製を作っていただき、丹波の野菜と一緒にBBQです。けいこさんが手際良く炭火を起こして豪華なランチの始まりです。私はジビエが苦手なので最初は遠慮していたのですが意外にも鹿肉は赤身で柔らかく大丈夫でした。合鴨は鴨南蛮でお馴染みの味、猪はちょっとこってりしています、全部野生のお肉ですが、全く臭みがないのは新鮮な驚きでした、ひとえにその動物が何をエサにしてきたかで味が変わるそうです、写真で私が右手に持っているのは宇津江婦人手作りの鶏のソーセージ、左手が秋刀魚やししゃもの干物の熱薫です
付録3ダッチオーブン:
今日はもうひとつカーボーイの献立があります。宇津江邸に到着したとき、練炭火鉢の中では豆炭にこうこうと火が付いて、ダッチオーブンの中には骨付きの鶏肉、キャベツ、じゃがいも、にんじん、セロリがぷかぷか浮かんでいました。1時間後に行くと美味しいスープの香りが漂っています。
午後3時を過ぎると日が翳り、じわじわと気温が下がってくるのがはっきりと感じられます。一枚また一枚と厚着になり、おき火を囲んでホットウイスキー(燻製にはやはりウイスキーかブランデーが一番合うと思います)を飲みながら熱燻にしたナッツをぽりぽりとかじりながらおしゃべりに花を咲かせました。こういう時間の過ごし方が都会で暮らす私たちにはなかなか味わうことのできない、かけがいのない時間です、夜になると空気が澄んでいるので星に手が届くような気がするそうです。欧米では昔々、秋から冬にかけて冬支度として、こうやって家族で燻製を作りダッチオーブン料理を囲んだのでしょうね、大草原の小さな家の世界です。
お腹も心もほかほかに温まったところで神戸に帰ります。この冬は手作りベーコンを使ったレシピいろいろ挑戦してみます。レポートでまた報告しますね。乞うご期待!
<<文章:大磯 ゆかり>>
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