旬菜レポート
2004/11/16
 里山ウォークディ

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里山ウォークディ

今日は、待ちに待った里山ウォークディです。「かっとびけいこ号」で参加者を次々に拾い、氷上郡春日町に向かいます。
車窓の景色が都会から田舎に移り変わるにつれ、参加者の気持ちもゆったりしてきます。車で1時間半ほど走ったら、こんなにすばらしい景色の田舎に出会うことができるって、兵庫県っていいところですね。

さて、里山ウォークディが開催される春日町は、何度か訪れている婦木さんの畑がある一帯です。事前に宇津江さんからいただいたこの日のチラシの地図を見ながら、受付場所のある中山区公民館を目指します。

田舎の地図は曲者です。都会に住んでいると信号3つ目といったら、ちょっと走ったら到着という感覚です。でも田舎道は違うのです。目印さえ、なかなか見つけられないのです。今回の目印は「ヤマザキショップ」です。参加者全員、道の右側にある「ヤマザキショップ」を見逃さぬよう、目を凝らします。小さなタバコ屋さんを過ぎては、「これじゃないか!」とか、シャッターの閉まったパン屋さんを見つけては「これかもしれない?」と、車の中は緊張感でいっぱいです。
「まさか通り過ぎてはいないよねェ。」と心配顔になったころ、デイリィヤマザキの看板が見えてきました。「あれだっ!!」全員、ほっとしながらも、次に曲がる道を見逃さないようにあれだ、これだと声を上げます。するとちょうど向こうから、いつも見慣れた「丹波食の会」の宇津江さんの車が走ってきました。あーよかった。宇津江さんに公民館への行き方を教えていただき、では後ほど宇津江さんちにお邪魔しますのでよろしく、と挨拶して一旦お別れします。

いざ、受付
公民館では、地元の方々がお餅つきやぜんざいのおもてなし、ポン栗の実演販売をしています。受付では、散策用の地図や「中山の歩き方」という今回の里山ウォークディに合わせて作られた本、地域通貨である木製の「10サト」(1枚100円相当)5枚、同じように木で作られたペンダントを受け取ります。ちょうど婦木さんに出会うことができました。今日は畑でなく、中山区をぐるぐる見せていただきに参りました。どこがおすすめでしょうか、とお尋ねして、見所を教えていただきます。婦木さんも今日はご家族で里山ウォークディだそうです。いってらっしゃーい!
ペンダントを首から下げて、さあ里山ウォークに出発!っと思ったら、なにせ女性の多い旬菜仲間です。まずは受付横に用意されているとれたてお野菜コーナーで足止めです。あれやこれやを取り置いていただいて、こんどこそ出発!っと思ったら、やっぱりぜんざい食べましょう、ということでつきたてのお餅が入った丹波の大納言ぜんざいをいただきます。さずが大納言あずきは、味が違います。あー、お・い・し!でも、ここで満足していてはいけません。こんどこそ出発!!!です。

見上げの竹薮
三尾山中山区は「三尾山」という姿のよい山のすそのにあります。なので、どこを歩いていても三尾山を眺めることができ、まさに田舎のよき風景となっています。

見上げの竹藪しばらく山側に向かって歩いていくと、「見上げの竹薮」がありました。竹薮に入って上を見上げると、太陽の光が差し込んできて輝いて見えます。
これは、映画のワンシーンですねぇ。

県下唯一の養蚕所
養蚕所の古民家中山区には兵庫県下でただ一軒という養蚕所があります。古民家の縁側に腰掛け、桑の葉茶をいただきながら、この家のご主人柿原啓志氏にお話をうかがいます。
養蚕は春から夏にかけて、2回から3回行なわれます。5月から約1ケ月間のお蚕さんの様子を写真で見ることができます。生まれて2〜3日のお蚕さんや10日くらいたったころのお蚕さん、その後一部屋ずつに入って、繭をつくっていく様子などが写っています。
養蚕所の古民家No2母屋のすぐ横に桑畑があります。この桑を食べてお蚕さんが大きくなるわけです。昔は桑が足りなくて、京都などいろんなところに分けてもらいに行ったそうですが、近頃は桑畑も少なく、なかなかもらえないそうです。春から夏にかけては、お蚕さんがこの桑を食べる「かしゃかしゃ」という音がけっこう大きく聞こえるそうです。
「今は、中国産の絹が輸入されていて、養蚕を続けていくのが大変です。でも1件だけと言われると辞めるわけにはいかないので、できるとこまでお蚕さんを育てていきますよ」
のんびり縁側で田舎の景色を満喫しながら、養蚕の現状を知ることができました。う〜ん。これでひとり地域通貨20サトです。いろいろお教えいただき、ありがとうございました。

小橋家訪問
ここまできたら、夏にお邪魔した小橋さんちはすぐそこです。きょうは蔵も見せていただけるらしいぞ!それ、行け。
小橋家お庭にて小橋さんちには、もうすでにたくさんの人たちが集まっていました。取れたてのさつまいもを焚き火で焼いているぞ。取れたてのお野菜が並んで我々を待っているぞ。お餅つきの準備も進んでいるぞ。
「先日いただいたウリの糟漬けがとってもおいしくてほんとごちそう様でした」と、おばあちゃんにお礼を言うと、「それならこれの味見してみて!」と、なすの4年もの糟漬けと新しょうがのしょう油漬けを出してくれました。こ、こ、これのまたなんともおいしいこと!「こりゃぁ、ごはんにぴったりだ」などと誰かが言うもので、おばあちゃん、さっそくおにぎりたんと持ってきてくれました。ご、ご、ごちそうさまです。いつものように、ぺろりっとすべて平らげました。

小橋家収穫のお野菜を買っているところ 小橋さんちのおじいちゃんにはお米のお話を聞きました。小橋さんちのお米は産消提携で販売しているお米です。収穫したお米は籾付で保管し、お客さんの注文を聞いてから籾すりをして精米をするので、いつでもおいしくいただけます。

小橋おじいちゃんにお米の話を聞いているところ機械をひとつひとつ見せていただき、説明をしてもらいました。手塩にかけて作ったお米への愛情がひしひしと伝わってきます。おじいちゃんもいつまでもお元気で、がんばってくださいね。
小橋家のお蔵には明治初期の古地図が広げて置いてあります。嫁入り籠もあります。う〜ん。ちょっとした民族博物館だぞ。
さて、まもなく12時半をまわります。宇津江さんとこは1時からバーベキューが始まる予定です。すでにいっぱい食べて、お餅つきも参加して、大満足の旬菜仲間。手元の地域通貨「サト」を小橋さんちにお渡しして、次はいざ、宇津江邸へ!

宇津江邸でバーベキューパーティ
宇津江邸でバーベキューパーティ宇津江さんちでは、宇津江さんご縁の方々がバーベキューを囲んで、楽しい宴となっています。今日は、宇津江さんが密かに作っておられた「かまど」のお披露目の日でもあります。さっそく青垣町のあまごが、おいしい炭焼きになっています。また、ドラム缶を半分に割ったものを使って、堤さんちのお野菜のバーベキューもできています。なんだかんだ食べてきた旬菜仲間も、ここは別腹。あらためて、いただきまーす!

青垣町のあまごは有名です。これを、レンガを積んで作ったかまどで焼いて食べるなんぞ、そう簡単に体験できるものではありません。それも、こんなに空気の澄んだ、景色の良いところで・・・。
地鶏を使い、取れたての野菜を使ったバーベキューは、堤さんのステキな笑顔がより一層お味を引き立てています。今日は、堤奥様とお嬢様もご参加です。はじめまして、いつもお世話になっております。また、おいしいお野菜をよろしくお願いします!

山の芋をすりおろし、宮井さんの作ったお米にかけて山かけご飯。滋養にいいぞ!今日は宮井さんがお風邪で参加できなかったとのこと。残念。山の芋食べて、元気回復してください!また、来年もよろしくご指導くださいませ。
宇津江さんちで合流した私の友人は、ご家族での参加です。宇津江さんちの自然いっぱいのお庭で、お孫ちゃんが葉笛を吹いて聞かせてくれました。広々とした空間で、のびのびと遊べて楽しかったね。今日はありがとうございました。
デザートにさつまいもとあずきを使ったお菓子までご用意いただき、宇津江さん、奥様、今日はほんとにお疲れ様でした。とっても、とっても、おいしく、たのしく、にぎやかなすばらしいウォークディの締めくくりができました。ありがとうございました。12月には忘年会用にぼたん鍋のセットをお願いしたいと思いますので、またよろしくお願いいたします!

宇津江邸で皆でポーズでは、最後に宇津江さんちに集まった仲間たちで、はいっ、ポーズ!!



<<文章:桃田 直子>>

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