旬菜レポート
2003/08/24
  田舎めぐり−加西市周辺
  行然庵、そばの種まき

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田舎めぐり−加西市編

[米所酒所 行然庵]
行然庵今回は、加西市方面の田舎めぐりです。その途中にある神出町には、はじめて訪問する行然庵があります。自然に溶け込んだつくりの行然庵はとても味わいのあるお店で、外に杉玉が下がり、引き戸をくぐると、そこには見たことのないお酒が冷蔵庫に並んでいます。

また、9種類の古代米がお店の真ん中に吊るされており、私たちを出迎えてくれます。その向うには、ちょっとしたカウンターがあり何種類かのお酒を試すことができます。
行然庵の店内に吊るしてある古代米ここにあるお酒は、ご自分で栽培された古代米やご自身が見出された生産者の方のお米を原料として、造り酒屋に依頼をされてできたものです。
お酒と聞いたらじっとしておれない旬菜のメンバーです。これは、どんなお酒か、どう違うのか、味を比べながら行然庵庵主の大辻さんにお話を伺います。
「お米に合わせたお酒のつくり方があります。このお米はこんなお酒にしたらいいなというように。自分で想像を膨らまして、お酒にします。お酒も生き物ですから、数年ねかせることで変化していきます。その変化も楽しんでいます。」
お米とお酒。素材にこだわって造り出されるお酒は、ここにしかない色、香り、味、楽しみ方があります。
「小鼓」というお酒のラベルには、春日町で有機栽培をしておられる婦木さんが作った酒米が使われていると書かれています。とうもろこし畑での婦木さんのお顔を思い浮かべながら、買って帰って飲みましょう。
古代赤米から造られた「盤古」も飲んでみたいですねえ。「米酒」とかいてMay Sakeと読ませるところなど、大辻庵主のお人柄でしょう。これから伺う北本さんに、とってもよいおみやげができましたね。

古代米の田んぼ 古代米の田んぼも見せていただきました。古代米の稲は背が高く、何種類か植えられている田んぼを見渡すと、黒っぽい稲の穂が頭ひとつ飛び出ています。これが他とは違う田んぼの風景をつくっています。


古代米の稲の花お米の花も咲いています。なかなかこのタイミングで田んぼに来れるものではありません。ラッキー!
今日は、またすばらしいご縁ができました。またお酒をいただきに、そしてなにより大辻庵主に会いにまた絶対、参ります。

[神出農業学校跡地と岡さんちにちょっと立ち寄って]
行然庵を後にして、次は神出農業学校跡地を覗きに行きます。ここでは旬菜メンバーの濱田さんが、グリーンツーリストとして体験農業をお手伝いしています。
広々とした敷地が目の前にあります。体験農業で使われている田んぼでは、稲がずいぶん大きく育っていました。
今回初参加、建築士の中川さんがステキなアイデアを話してくださいました。スウェーデンでは自分で耕す畑にちょっとした小屋を建てて、畑仕事をしては小屋でのんびりするといった暮らし方ができるそうです。小屋は自分で建てるのがいいでしょう。畑には自分のペースで来ます。そこで畑をしたり、小屋で本を読んだり、ゆったり時間を過ごします。また、そこで出会った人たちと集ってパーティもいいかな。
都会人があこがれる田舎暮らしの景色が頭に浮かびます。自分の田舎を持つような感じかな。
 
[北本さんちで蕎麦の種まき]
あー、おなかがすきました。今日は北本さんちのにんにくを使っている焼肉店でお昼を食べます。さっそく北本さんに連絡して、連れて行ってもらいます。
そこは大きなお店でした。あちらこちらのテーブルからおいしい焼肉の香りが漂ってきます。さっそくお肉を注文します。焼肉をつけるタレ、これに北本さんちのにんにくが入っているのです。一口食べて、あっさりとしてすっきりとしたタレの味に大満足。さすが北本さんちのにんにく入りのタレだけある!
おなかがぺこぺこだった旬菜メンバー。あっという間にぺろりとすべてのお皿を平らげました。さあ、これから蕎麦の種まきだぞ、と思いながらも、体はお昼寝モードです。日差しもきついし、3時ごろに出発しましょう。

北本さんちですいか北本さんちに着くと、そこには大きく細長いすいかが待っていました。トルクメニスタンからやってきた種でできたすいかだそうです。「ツルカメニスタン?」とか言いながら、みんなでかぶりつき、水分たっぷりのすいかを堪能しました。

畑は4本の畝がきれいに準備されていました。ちょこっと農業体験隊としては、これまでで一番農作業らしき作業が体験できました。

水はけをよくする溝をつくったり、種を蒔けるように畝にすじをつけたり、蕎麦の種を蒔いたり、その上に土をかぶせたり。作業を分担しながら、まだまだ強い日差しの残るなか奮闘します。
そばまき

ごまこの畑にはさといもや大豆、黒豆、ごまが植わっています。
ごまってこんなふうに実るのですか、はじめて見ました。

作業が終わって北本さんちでちょっと一休み。先ほどいただいたトルクメニスタンのすいかが半分あります。実をすくいだし、そこにとっておきのワインを入れます。すいかのポンチ?これが疲れた体に染み渡るのです。ごちそうさまでした。

今回は暑い中ちょっときびしい農作業でした。初参加の中川さんは、農業の現場をみる機会はなかなかないので、とっても楽しかったと言ってくださいました。またご一緒したいですと、とってもうれしいお言葉をいただきました。ぜひ、また田舎めぐりしましょうね。

<<文章:桃田 直子>>

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