旬菜レポート
2002/11/10
  菜のはなの会 総会

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菜のはなの会 総会

11月10日、前日までの寒さがちょっと一休みといった小春日和。以前訪問したドンキー・バレイの波々伯部さんよりご紹介いただき、神戸市西区伊川谷町の「菜のはなの会」の総会に行ってきました。

「菜のはなの会」は、地元で20年ほど前から有機農業をしておられる農家の方々と提携して、安全な有機野菜を共同購入しているグループです。「菜のはなの会」自体も、この名前になってから今年で17年という長い歴史を持っています。

この日は、事務所が入っている建物の1階、囲炉裏を取り囲んで、事務局の方々や会員の皆さん、生産者の方々という顔ぶれで始まりました。

総会では1年間の活動報告やこれからの課題など、各担当者から率直な指摘や提案が出されていました。この会の活動は、共同購入形式で野菜の購入に留まらず、援農など草取りや虫取りのお手伝いや、各ステーションあてに配送する野菜の仕分け作業を、会員自らが参加して行っています。

最近では、そのようなお手伝いに参加できる人がなかなか増えず、また共同購入する人たちの家族構成が変化し、野菜を購入し続けることができなくなってくるなど、新たな課題が出ているようでした。そのような課題に向け、会の活動の細部に手を加え、新しい取り組みも試されていました。畑の野菜のように、新しい種をまき、新しい活動を育てる。そんな会員の方々の意欲と心意気を感じ取ることができました。

そして、生産者の方々からのお話は続きます。


「有機JASマークの制度ができ、スーパーで有機栽培の野菜を簡単に購入することができるようになった。売り場の野菜棚には生産者の顔写真が一緒に掲載されているが、それで消費者と生産者の顔の見える関係というのは少し違うだろう。第三者が認証することが、本当の信頼と言えるのだろうか。」

「自分の作った野菜をおいしいと言って食べてくれる人たちの声を聞くと、やっぱり有機農業をやってて良かったと思う。」

有機農業に携わり、苦労のなかにも喜びを見出しながら続けてこられた農家の方たちの生き様が、飾り気のない言葉の中から滲み出ていて、一言一言が心に深く染み込みました。総会終了後には、会員の方たち手作りのすいとん汁をご馳走になり、おなかもこころもあったかくなったところで、次の畑に向かって出発しました。


【岡さんちの畑
お昼をかなり回って、岡さんちの畑に到着。今回は玉ねぎの植え付けを教えていただく予定です。

到着後、お願いしていた精米したてのお米を、袋詰めしている作業場を見せていただきました。お米を入れる紙袋は1枚38円、「特選」と書かれた豪華な印刷のビニール袋は68円するそうです。一度に30kg入れられる機械で精米し、できたお米は27kg分。1割がぬかということです。この精米したてのお米が、炊くとピカピカ、香り良く、おいしいのです。

 

続いて、玉ねぎを植えつける畑に出かけました。前回訪問したときに案内していただいた平飼の鶏舎の前でした。きれいに耕され、あとは玉ねぎの苗を置いていくだけの状態にしておいてくださったようです。


「10〜15cmほどの間隔で苗を植えます。苗の枝分かれしているところ、成長点が土の上に出るよう、土をかぶせてください。」と教えていただき、畝に筋をつける人、苗を置いていく人、上から土をかぶせる人、それを写真に撮る人に分かれて作業しました。ほんのちょっとの農作業(?)。疲れる手前で完了です。

畑から帰ると、なんと!最高においしい手打ちうどんが用意されていました。ご近所のこだわりさぬきうどんのお店のものです。つやつやの茹でたてうどんに、こだわった材料で作られたおつゆをぶっかけにして、一気にずるずるっと。疲れ(?)も吹っ飛びました。

いつもおいしいものをいただくばっかりですみません。ごちそうさま。

【北本さんちの畑】

夕方近くになってしまいましたが、せっかく近くまできたのですから、北本さんちに行けないかな、ということで、急遽お電話して、畑へGO!
道がわからず、迷い迷ってなんとか到着。畑の向こうに山々という景色のなか、目印があるようなないような。目指す畑を見つけるのは、なかなか大変です。

畑に着くと、北本さんは高菜を植え付けておられるところ。「せっかく来たのだから、ちょっとお手伝いしますか。」ということで、高菜の苗の植え付け、水遣りのお手伝い。「水の量は牛乳ビン半分ほど、それを均等にかけていくように。」とのご指導あり。こちらも手伝っているのやら、邪魔しているのやらという感じではありましたが、”ちょっと農業”で満足、満足。

帰り際に、北本さんちのおいしいにんにくを分けていただけるかお伺いを立てました。「にんにくは旬が5月なので、そろそろ芽が出始めているかな。」とのことで、にんにくを割って見ると少しですが、緑の芽が出始めていました。

これまで、にんにくはいつでもお店にあって、買ってから長く置いておいたら芽が出てくるという認識でした。にんにくの旬が5月で、11月ごろには芽が出るということを知って、これからは「おーいそさんのハーブオイル」のように旬のおいしさを保存できる方法をいろいろ工夫して、おいしいにんにくをおいしく食べることが大事だと痛感しました。

にんにくについて学んだうえに、白菜を一人一株ずつ畑から収穫してもらって、またまたおみやげいっぱいの旅となりました。

<<文章:桃田 直子>>

 

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