丹波食の会
今回の最大のミッション(笑)はマツタケ狩りとバーベキュー。美味しいものには目のない我がグループの期待は否が応でも高まる。いやいや違った、丹波食の会の宇津江さんのところへ見学がてら付近の農家見学などをするのである。
・・・・はずだった。が、前日に降った雨のためマツタケ山に入ることはできないとのことで惜しくもマツタケ狩りは中止になってしまったのだ。しかも今日も空模様は怪しいなか。氷上郡春日町にある丹波食の会の宇津江さんの元へ出発した。それでも旬菜のメンバーの日ごろの行いがよいのか、なんとか曇りで収まりそうな感じだった。
まずは宇津江さんにトラックのコンテナを改造して作られた冷蔵庫で商品のご紹介をしていただいた。この冷蔵庫は市販のクーラーで冷やしているのだそうだ。
そして着いてしばらく宇津江さん夫妻のご自宅でおしゃべり。そこでこの街へUターンされた田舎TVの小橋さんのことをご紹介され、あとで訪ねて行くことになった。
そうこうするうちにまだお昼のバーベキューの支度をするには早いということで宇津江さん夫妻のご案内で付近のお散歩に行くこととなった。
道を歩いていると近所の畑で農作業されている方に出会った。何を植えているのだろうとそんなことが気になる私であった。どうやらチンゲンサイや大根などを栽培しておられるようだった。じっと見ていたせいか、いや物欲しげだったのか、間引いた野菜をやら、植わっている野菜まで下さった近所のおじさんに感謝。
都会生まれ、都会育ちの私にとっては「古きよきニッポン」-あこがれの田園風景が広がる。
そこにあるものすべてが新鮮だ。宇津江さんの自宅の裏山にあるという神社に向かい、その道中に柿やら、野菜やら私たちが立ち止まるたびに地元の人が「持ってけ」ということになってお昼の食材には十分すぎるほど食料が集まったのである。
神社はいい感じに古びていた。階段は苔むし、木がうっそうと茂る。(夏はさぞヤブ蚊にやられることだろう)神社の境内に立つと気になるものが1つ。ちょうどお賽銭を入れるために立つ位置になぜか石が1つ置いてある。まるでディスコのお立ち台のように。もう1つ小さい祠のようなものの前にもある。うちの近所の神社にはそうしたものを置いているところを見かけないのでこのあたりの習慣なのだろうか。
次に近所にある貸し別荘に立ち寄った。1棟丸ごと貸してくれるそうで、なんと映写室まであるそうだ。夏などにここで集まって遊ぶのによいかもしれない。その別荘から裏道を抜けて宇津江さんの自宅裏に出た。小さな冒険のような楽しいひとときであった。
そろそろバーベキューの支度をとみんなで分担して昼食は始まった。男性陣はハーベキュー用の炭の火起こし、女性陣は料理の下ごしらえをした。人数がそれなりに多かったのでけっこう早くに支度はでき、さっそく野菜や肉を焼き始める。新鮮な野菜の旨み、肉のジューシーさがなんとも言えない。そして外で食べるということでおいしさ倍増なのであった。ひと心地つくとみんながビールを飲みながらゆったりと談笑し、有意義な時間を過ごすことができた。
こうして書いていると宇津江さん夫妻は土地の人なのではないかと思われる方もいらっしゃると思う。宇津江さん夫妻はもともと鎌倉に住んでおられて、春日町の土地はふるさとでもなんでもなく、インターネットで定年後に住む家を探していてたまたま見つけたとのこと。田舎で豊かな暮らしをしながら食や農業に関わって生きようとする人が増えていることを実感した。
たくさんのお土産をいただいて宇津江さん宅を後にした。そしてご紹介いただいた小橋さん宅へ。この方は東京で通信関係の仕事をされていたそうで、インターネット情報発信などは専門中の専門。今は田舎TVというウェブサイトを作っておられる。
田舎TVでは春日町で有機栽培で野菜を作っておられる農家を紹介したり、野菜の販売をされたりしている。また農作業の様子をデジタルビデオで撮影されてそれを配信したりとその腕を活かして田舎からの情報発信をしておられる。小橋さんが言うには「現在のインターネットの情報は都会からの発信が大半です。ですから私は田舎からの情報発信をしようとしているのです。またそういった情報を求めておられる方も多いはずです。」と言う言葉は印象に残った。そして「ぜひ、都会の人間が田舎へ行って見て、感じたことをこれからも発信し続けてください。」との言葉をいただいた。
そして小橋さんのご自宅を後にした。今日も新しい発見のあった1日であった。
<<文章:鈴木 緑>>
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